赤ちゃんや子どもが突然吐いたり、下痢をしたりすると、 「すぐに受診した方がよいの?」「何を飲ませればよいの?」と不安になるものです。
嘔吐や下痢の多くは少しずつ改善していきますが、脱水には注意が必要です。 症状の回数だけでなく、水分がとれているか、おしっこ(尿)が出ているか、 ぐったりしていないか、強い腹痛や血便がないかなど、お子さまの全体の様子を確認しましょう。
嘔吐や下痢があるときは、
全体の様子を確認してください
回数の多さよりも、水分がとれているか、おしっこ(尿)が出ているかが大切な手がかりになります。
- 水分や母乳、ミルクを少しずつとれているか
- 飲んだものをすぐに吐いていないか
- おしっこ(尿)が出ているか
- 元気や呼びかけへの反応があるか
- 顔色や唇の色が悪くないか
- 強い腹痛がないか
- 痛がったり落ち着いたりを繰り返していないか
- 吐いたものに血液や黄色・緑色のものが混じっていないか
- 便に血液が混じっていないか
- お腹が大きく張っていないか
早めの受診が必要な状態
水分をまったく受け付けない、ぐったりしている、強い腹痛や血便がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
嘔吐・下痢の主な原因
子どもの嘔吐や下痢は、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどによる 感染性胃腸炎でよく見られます。いわゆる「お腹の風邪」と呼ばれることもあります。
感染性胃腸炎では、嘔吐、下痢、腹痛、発熱、食欲の低下などが起こることがあります。
ただし、嘔吐や下痢の原因は胃腸炎だけではありません。 強い腹痛を伴う場合や、吐いたものに血液や黄色・緑色のものが混じる場合、 ぐったりしている場合などは、早めの診察が必要です。
お子さまの様子に合わせて、
受診のタイミングを確認しましょう
自宅で様子を見てもよい目安
次の項目がすべて当てはまり、時間とともに状態が悪化していない場合は、 ご家庭でこまめに様子を見ながら、診療時間内の受診で間に合うことがあります。
- 元気があり、呼びかけにいつもどおり反応する
- 嘔吐の回数が少なく、少しずつ落ち着いている
- 少量ずつ水分をとれている
- おしっこ(尿)がいつもどおり、またはある程度出ている
- 顔色や唇の色が悪くない
- 強い腹痛がない
- 血便がない
- 吐いたものに血液や黄色・緑色のものが混じっていない
- お腹が大きく張っていない
様子を見ている間も、水分、おしっこ(尿)、元気さ、顔色、腹痛の変化を確認してください。
診療時間内の受診をおすすめする目安
次のような場合は、診療時間内に小児科へご相談ください。
- 何度も吐いている
- 下痢を繰り返している
- 水分や母乳、ミルクをとる量が減っている
- おしっこ(尿)の回数や量が少なくなっている
- 発熱を伴っている
- 食欲がなく、元気もない
- 腹痛が続いている
- 便に血液や粘液が混じっている
- 嘔吐や下痢が長引いている
- 生後3か月未満で嘔吐や下痢がある
- 持病があり、脱水が心配される
- 保護者の方から見て「いつもと違う」と感じる
症状の回数が多くなくても、元気がない、水分がとれない、 おしっこ(尿)が減っている場合は、早めにご相談ください。
夜間・休日でも早めに受診するサイン
以下のような状態がある場合は、夜間や休日でも早めに医療機関へ相談・受診してください。
- 水分をほとんど受け付けない
- 飲ませてもすぐに何度も吐いてしまう
- 半日近くおしっこ(尿)が出ていない
- ぐったりして元気がない
- 呼びかけへの反応が弱い
- 顔色が悪い
- 吐いたものに血液が混じっている
- 黄色や緑色のものを吐いた
- 吐いたものがコーヒーのかすのように見える
- 血便や黒い便が出た
- 強い腹痛がある
- 痛がったり落ち着いたりを繰り返す
- お腹が大きく張っている
- 強い頭痛や意識の変化を伴っている
- けいれんを起こした
- 生後3か月未満で、嘔吐や下痢を繰り返している
特に、周期的に激しく痛がる、緑色のものを吐く、イチゴジャムのような血便が出る場合は、腸重積症など早めの対応が必要な病気が隠れていることがあります。
迷わず119番へ連絡する目安
- 呼びかけても反応しない
- 意識がもうろうとしている
- 呼吸をしていない、または呼吸が弱い
- 唇や顔が青紫色になっている
- けいれんが5分以上続いている
- けいれんが止まっても意識が戻らない
嘔吐や下痢が続くときは、
脱水に注意してください
嘔吐や下痢が続くと、体内の水分と塩分が失われ、脱水を起こすことがあります。 特に赤ちゃんや小さなお子さまは脱水が進みやすいため、次のような変化に注意してください。
- おしっこ(尿)の回数や量が少ない
- 半日近くおしっこ(尿)が出ていない
- 口の中や唇が乾いている
- 泣いても涙が出にくい
- 目が落ちくぼんで見える
- 手足が冷たい
- 顔色が悪い
- 元気がなく、ぐったりしている
- 水分を受け付けない
嘔吐・下痢があるときに
ご家庭でできるケア
一度にたくさん飲ませない
吐いた直後に一度にたくさん飲ませると、再び吐いてしまうことがあります。吐いた直後は1〜2時間ほど胃を休ませ、吐き気が落ち着いてから、経口補水液を小さじ1杯程度(約5mL)から始め、5分おきに少しずつ与えてください。
吐かずに飲めている場合は、お子さまの様子を見ながら、少しずつ量を増やしていきます。再び吐いた場合は、15分ほど休ませてから、さらに少ない量で再開してください。
経口補水液を優先する
嘔吐や下痢が続いているときは、水分と塩分を補える経口補水液が適しています。ジュースや炭酸飲料、大人用のスポーツドリンクなど、糖分の多い飲み物を一度にたくさん与えることは避け、経口補水液を少量ずつ飲ませましょう。
水分をまったく受け付けない場合や、飲ませても毎回吐いてしまう場合は、無理に続けず医療機関へご相談ください。
母乳やミルクは基本的に続けられます
母乳やミルクは、基本的には続けて問題ありません。嘔吐がある場合は、一度にたくさん飲ませず、少量ずつ回数を分けて与えてください。
飲ませるたびに吐く、哺乳量が大きく減っている場合は、早めにご相談ください。
食事は無理に食べさせない
食欲がないときは、無理に食べさせる必要はありません。まずは水分がとれているか、おしっこ(尿)が出ているかを優先して確認してください。
水分を吐かずにとれるようになり、食欲が戻ってきたら、食べやすいものを少量ずつ与えましょう。
市販薬を自己判断で使用しない
下痢止めや吐き気止めを、自己判断で使用しないでください。
以前処方された薬や、兄弟の薬も使用せず、薬が必要な場合は医師へご相談ください。
おむつかぶれを防ぐために
下痢が続くと、便の刺激によっておしりが赤くなったり、ただれたりすることがあります。便が出たら、できるだけ早くおむつを交換し、ぬるま湯などでやさしく汚れを落としてください。
強くこすらず、水分を押さえるように拭き取って、よく乾かしてから新しいおむつをつけましょう。赤みやただれが強い場合は、診察時にご相談ください。
家庭内での感染を防ぐために
感染性胃腸炎では、便や吐いたものにウイルスが含まれていることがあります。処理するときは、使い捨ての手袋とマスクを着用し、ペーパータオルなどで静かに拭き取ってください。
処理後は、石けんと流水で丁寧に手を洗いましょう。ノロウイルスなどでは、アルコール消毒だけでは十分な効果が得られないことがあります。
塩素系漂白剤を使うときの注意
汚れた床や物を消毒する場合は、次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用塩素系漂白剤を、 製品に記載された使用方法に従って使用してください。塩素系漂白剤は、酸性の洗剤や製品と混ぜないでください。衣類や金属を傷めることがあるため、使用上の注意も確認しましょう。
受診までに確認しておくとよいこと
診察時に次の内容をお伝えいただくと、お子さまの状態を確認する参考になります。
嘔吐・下痢の様子
- いつから吐いているか、下痢をしているか
- 嘔吐と下痢の回数
- 最後に吐いた時間
- 吐いたものの色や状態
- 便の色や状態
- 血液が混じっていないか
水分・おしっこ
- 水分や母乳、ミルクをどのくらいとれているか
- 最後におしっこ(尿)が出た時間
そのほか
- 発熱の有無
- 腹痛の有無
- 家族や園、学校で同じ症状の人がいないか
- 使用した薬
吐いたものや便の色・状態が気になる場合は、可能であれば写真を撮っておくと、診察時の参考になります。
ノロウイルス迅速検査について
検査は、症状、発症からの経過、年齢、周囲の流行状況などを踏まえ、医師が必要と判断した場合に行います。
検査だけで判断するのではなく、まずお子さまの全体の状態を丁寧に確認します。
ノロウイルス迅速検査(3歳以上)
4,500円(税込)
※ 3歳未満は、医師が必要と判断した場合に保険診療の対象となります。 対象年齢を超える場合は自費となります。
よくある質問
嘔吐・下痢についてよくいただくご質問をまとめました。
夜間に受診するか迷ったときは、どうすればよいですか?
夜間や休日に受診すべきか迷う場合は、子ども医療電話相談「#8000」で、小児科医師や看護師に相談できます。大阪府では、毎日19:00〜翌朝8:00まで相談できます。ただし、意識や呼吸がおかしい、唇や顔が青紫色になっている、けいれんが5分以上続いている場合は、#8000を待たずに119番へ連絡してください。
嘔吐・下痢で受診を迷うときも
ご相談ください
嘔吐や下痢があるときは、症状の回数だけでなく、水分がとれているか、
おしっこ(尿)が出ているか、元気や反応があるかを確認することが大切です。
チェック項目に当てはまらない場合でも、保護者の方が「いつもと違う」と感じることは大切なサインです。