赤ちゃんや子どもの咳・鼻水は、風邪などでよく見られる症状です。 多くは少しずつ改善していきますが、咳が長引く、ゼーゼーする、呼吸が苦しそう、 ミルクや水分がとれないといった場合は注意が必要です。
咳の回数や鼻水の量だけでなく、呼吸の様子、元気さ、水分やミルク、おしっこ(尿)、顔色、 睡眠など、お子さまの全体の状態を確認しましょう。
咳が出ているときは、
呼吸の様子を確認してください
咳の回数よりも、呼吸が苦しそうかどうかが大切な手がかりになります。
- 呼吸がいつもより速い
- 肩を上下させながら息をしている
- 息を吸うたびに、鎖骨の上や肋骨の下がへこむ
- ゼーゼー、ヒューヒューと音がする
肩呼吸・陥没呼吸について
肩で息をする「肩呼吸」や、胸や肋骨の周囲がへこむ「陥没呼吸」は、呼吸が苦しいときに見られるサインです。このような様子がある場合は、咳の回数にかかわらず早めに医療機関へご相談ください。
お子さまの様子に合わせて、
受診のタイミングを確認しましょう
自宅で様子を見てもよい目安
次の項目がすべて当てはまり、時間とともに悪化していない場合は、 ご家庭でこまめに様子を見ながら、診療時間内の受診で間に合うことがあります。
- 元気があり、呼びかけにいつもどおり反応する
- 水分やミルク、食事がある程度とれている
- おしっこ(尿)がいつもどおり出ている
- 呼吸が苦しそうではない
- ゼーゼー、ヒューヒューしていない
- 顔色や唇の色が悪くない
- 咳があっても、ある程度眠れている
- 症状が急激に悪化していない
様子を見ている間も、咳の回数だけでなく、呼吸の様子、水分やミルク、おしっこ(尿)、元気さ、顔色の変化を確認してください。
診療時間内の受診をおすすめする目安
以下のような場合は、診療時間内に小児科へご相談ください。
- 咳が2週間以上続いている
- 日ごとに咳が強くなっている
- 夜間に咳が強く、十分に眠れない
- 咳き込んで吐いてしまう
- ゼーゼー、ヒューヒューすることがある
- 発熱を伴っている
- 水分やミルク、食事の量が減っている
- 鼻づまりでミルクや母乳が飲みにくそう
- 元気がない、不機嫌な状態が続いている
- 生後3か月未満で咳がある
- 喘息や呼吸器の病気を指摘されたことがある
- 保護者の方から見て「いつもと違う」と感じる
咳が長引く場合は、風邪以外の病気が隠れていることもあります。 続いている期間だけでなく、夜間の悪化、呼吸音、発熱、元気さなどを合わせて確認します。
夜間・休日でも早めに受診するサイン
以下のような状態がある場合は、夜間や休日でも早めに医療機関へ相談・受診してください。
- 呼吸が速く、明らかに苦しそう
- 肩を上下させて呼吸している
- 息を吸うたびに、胸や肋骨の周囲がへこむ
- 安静にしていてもゼーゼー、ヒューヒューする
- 咳や息苦しさのため、会話や泣くことが十分にできない
- ミルクや水分をほとんどとれない
- おしっこ(尿)が極端に少ない
- ぐったりして元気がない
- 呼びかけへの反応が弱い
- 顔色が悪い
迷わず119番へ連絡する目安
- 呼びかけても反応しない
- 意識がもうろうとしている
- 呼吸をしていない、または呼吸が弱い
- 唇や顔が青紫色になっている
- 息ができず、声や泣き声が出ない
- 呼吸が苦しく、ぐったりしている
- 食べ物や物を詰まらせ、呼吸ができない
食事中や、小さなおもちゃ・部品を口にして遊んでいる最中に突然激しく咳き込み始めた場合は、 食べ物や物が気道に入った可能性があります。声や泣き声が出ない、咳もできない場合は、ただちに119番へ連絡してください。
咳・鼻水があるときに
ご家庭でできるケア
水分を少量ずつ、こまめに
咳が続くとのどが乾燥しやすくなり、発熱を伴う場合は水分も失われやすくなります。一度にたくさん飲ませようとせず、水やお茶、母乳、ミルクなどを少量ずつこまめに与えてください。
食欲が落ちているときは、まず水分がとれているか、おしっこ(尿)が出ているかを確認しましょう。
鼻水をやさしく吸ってあげる
赤ちゃんは自分で鼻をかむことができないため、鼻づまりが強いとミルクや母乳を飲みにくくなることがあります。鼻の入り口付近にある鼻水を、鼻吸い器などでやさしく吸ってあげましょう。
授乳や食事の前、眠る前に行うと呼吸が楽になることがあります。器具を鼻の奥まで無理に入れたり、何度も強く吸ったりせず、お子さまの様子を見ながら行ってください。
室内の乾燥を避ける
空気が乾燥していると、のどや鼻の不快感が強くなることがあります。室温や湿度を調整し、必要に応じて加湿してください。
加湿器を使用する場合は、こまめに清掃し、室内を過度に加湿しないよう注意しましょう。
上体を起こすと楽になることがあります
横になると咳や鼻づまりがつらそうな場合は、起きている間に抱っこをするなど、少し上体を起こした姿勢にすると楽になることがあります。
食事は無理に進めない
食欲が落ちているときは、無理に食べさせる必要はありません。水分を優先し、食べられそうになったら、食べやすいものを少しずつ与えましょう。
薬は指示どおりに使用する
以前処方された薬や、兄弟の薬を自己判断で使用しないでください。
医師から処方された薬は、指示された用法・用量を守って使用しましょう。
受診までに確認しておくとよいこと
診察時に次の内容をお伝えいただくと、お子さまの状態を確認する参考になります。
咳の様子
- いつから咳や鼻水が始まったか
- 咳が多い時間帯
- 咳の音や出方
- 急に咳が始まったか
- 急に始まった場合、その直前に食べていたもの・遊んでいたもの
呼吸・発熱
- ゼーゼー、ヒューヒューするか
- 発熱の有無
- 咳き込んで吐くことがあるか
水分・そのほか
- 水分やミルクをどのくらいとれているか
- おしっこ(尿)の回数
- 喘息やアレルギーの既往があるか
- 園や学校、家庭内で流行している感染症
咳や呼吸音は、診察時に出ないこともあります。 ご家庭で気になる咳や呼吸の様子を動画で記録しておくと、診察時の参考になります。
よくある質問
咳・鼻水についてよくいただくご質問をまとめました。
咳や鼻水だけでも受診してよいですか?
はい。発熱がなくても、咳が長引く、夜に眠れない、ゼーゼーする、鼻づまりでミルクを飲みにくそうなどの場合はご相談ください。特に、呼吸が苦しそう、水分がとれない、元気がない場合は早めの受診をおすすめします。
鼻水は何度吸ってもよいですか?
回数に決まりはありませんが、鼻づまりが強いときや、授乳・食事・睡眠の妨げになっているときを目安にしてください。頻繁に強く吸うと鼻の粘膜を傷つけることがあるため、無理に繰り返さないようにしましょう。
咳が2週間以上続いています。受診した方がよいですか?
はい、一度小児科へご相談ください。長引く咳では、風邪以外の原因を確認することがあります。受診の際は、咳が始まった時期、強くなる時間帯、咳の音もあわせてお伝えいただくと参考になります。咳の様子を動画で記録しておくと役立ちます。
夜間に受診するか迷ったときは、どうすればよいですか?
夜間や休日に受診すべきか迷う場合は、子ども医療電話相談「#8000」で、小児科医師や看護師に相談できます。ただし、呼吸が明らかに苦しい、唇や顔が青紫色になっている、意識や反応がおかしい場合は、#8000を待たずに119番へ連絡してください。
咳・鼻水で受診を迷うときも
ご相談ください
咳や鼻水があるときは、症状の回数や量だけでなく、呼吸の様子、水分やミルク、
おしっこ(尿)、元気さ、顔色を見ることが大切です。
チェック項目に当てはまらない場合でも、保護者の方が「いつもと違う」と感じることは大切なサインです。