熱中症

「昼間は元気だったのに」
「夜になって急にぐったり」
まず涼しい場所へ移してから確認してください。

「昼間は元気に遊んでいたのに、夜になって急にぐったりしてきた」。このような場合も、日中の暑さや水分不足の影響が残り、熱中症による体調不良が現れている可能性があります。

熱中症は、炎天下にいるときだけに起こるものではありません。屋内や車内、夜間でも、気温や湿度が高い環境では発症することがあります。また、暑い場所から涼しい室内へ移ったあとに、だるさ、頭痛、吐き気、食欲低下などの症状が目立ってくることもあります。

「昼間は大丈夫だったから」「今は涼しい部屋にいるから」と安心せず、その日の暑さの中での活動や水分摂取量も含めて、お子さまの全体の状態を確認しましょう。

応急処置

熱中症が疑われるときの応急処置

熱中症が疑われる場合は、次の対応をすぐに始めてください。

涼しい場所へ移動する

エアコンが効いた室内や、風通しのよい日陰などへ移動してください。屋外だけでなく、室内でも暑い場合は、冷房を使用して室温を下げましょう。

移動後も、お子さまを一人にせず、大人がそばで様子を確認してください。

衣服をゆるめる

衣服をゆるめ、熱が体にこもらないようにします。

帽子や上着を外し、きつい衣服やベルトがある場合はゆるめてください。

体を冷やす

皮膚に水をかけたり、濡れたタオルを当てたりしながら、うちわや扇風機などで風を送ります。保冷剤や氷のうがある場合は、タオルなどで包み、次の場所を冷やしてください。

  • 首の周り
  • 脇の下
  • 足の付け根

おでこへ冷却シートを貼るだけでは、体全体を十分に冷やすことはできません。体が熱い場合は、首、脇、足の付け根などを冷やしながら、全身へ風を送ることが大切です。

飲める場合は水分と塩分を補う

意識がはっきりしていて、吐き気や嘔吐がなく、自分で飲み込める場合は、経口補水液などを少量ずつ与えてください。一度にたくさん飲ませず、少量をこまめに飲ませます。

意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応がおかしい、吐いている、自分で飲めない場合は、誤って気道に入る危険があるため、無理に飲ませないでください。繰り返し吐いている場合や、少量でも飲めない場合は、医療機関へご相談ください。

経口補水液(ORS)の飲ませ方

症状が改善するか確認する

涼しい場所へ移し、体を冷やし、水分を補給したあとに、元気や反応が戻ってきたか、顔色がよくなったか、頭痛や吐き気が軽くなったか、水分を飲めるようになったか、まっすぐ立ったり歩いたりできるか、おしっこ(尿)が出ているかを確認してください。

症状が改善しない場合や、一度改善しても再び悪くなる場合は、医療機関へご相談ください。

まず確認すること

夜になってから症状が
目立つこともあります

日中に暑い環境で過ごしたあと、帰宅時には元気そうに見えても、 夜になってから次のような変化が現れることがあります。

  • 急に元気がなくなる
  • ぐったりする
  • 食欲がなくなる
  • 水分を飲みたがらない
  • 頭痛を訴える
  • 吐き気や嘔吐がある
  • 顔色が悪くなる
  • おしっこ(尿)が少なくなる
  • いつもより強く眠たがる
  • 呼びかけへの反応が鈍くなる

暑い日に外出や運動をした日は、帰宅後も確認を

外出、運動、プール、部活動などをした日は、帰宅後も水分や食事、おしっこ(尿)、元気さを確認してください。涼しい場所で休ませても症状が改善しない場合や、時間とともに悪化している場合は、早めに医療機関へご相談ください。

主な症状

子どもの熱中症で
見られる症状

  • 元気がない
  • ぐったりしている
  • 顔が赤い、または顔色が悪い
  • 大量に汗をかいている
  • 皮膚や体が熱く感じる
  • めまいやふらつきがある
  • 頭痛を訴える
  • 吐き気がある
  • 嘔吐する
  • 食欲がない
  • 水分を飲みたがらない
  • 手足やお腹の筋肉がつる
  • おしっこ(尿)の回数や量が少ない
  • ぼんやりしている
  • 受け答えが普段と違う
  • けいれんを起こす

高い熱が出るとは限りません

体温の数字だけで判断せず、意識がしっかりしているか、自分で水分を飲めるか、涼しい場所で冷やしたあとに症状が改善するかを確認してください。

子どもは熱中症に
なりやすい傾向があります

子どもは、大人に比べて体温を調節する機能が十分に発達していません。 また、体調の変化やのどの渇きをうまく伝えられず、 遊びに夢中になって水分補給や休憩を忘れてしまうこともあります。

  • 体温を調節する機能が十分に発達していない
  • 大人より体重に対する体表面積が大きく、周囲の暑さの影響を受けやすい
  • 身長が低く、地面からの照り返しを受けやすい
  • のどの渇きや体調不良を言葉で伝えにくい
  • 自分で水分補給や衣服の調整をすることが難しい
  • ベビーカーや車内など、熱がこもりやすい環境にいることがある

周囲の大人が、顔色、汗、元気さ、水分、おしっこ(尿)などの変化をこまめに確認することが大切です。

受診の目安

お子さまの様子に合わせて、
受診のタイミングを確認しましょう

応急処置後、自宅で様子を見てもよい目安

次の項目がすべて当てはまり、冷却と水分補給によって症状が明らかに改善している場合は、 大人がそばで見守りながら経過を確認できることがあります。

  • 意識がはっきりしている
  • 呼びかけに普段どおり反応する
  • 自分で水分を飲める
  • 吐き気や嘔吐がない
  • 頭痛やめまいが軽くなっている
  • 顔色が改善している
  • まっすぐ立ったり歩いたりできる
  • 呼吸が苦しそうではない
  • おしっこ(尿)が出ている
  • 元気が普段に近づいている

症状が落ち着いたあとも、その日は運動や外出を控え、涼しい環境で休ませてください。夜間もときどき声をかけ、呼びかけへの反応、呼吸、顔色、水分、おしっこ(尿)を確認しましょう。 保護者の方が不安を感じる場合は、無理にご家庭だけで様子を見ずご相談ください。

診療時間内の受診をおすすめする目安

次のような場合は、診療時間内に小児科へご相談ください。

  • 暑い場所で過ごしたあと、元気がない
  • 夜になってから急にぐったりしてきた
  • 水分を飲む量が減っている
  • 食欲が戻らない
  • 頭痛が続いている
  • めまいやふらつきがある
  • 吐き気がある
  • 一度吐いた
  • おしっこ(尿)の回数や量が少ない
  • 顔色が普段より悪い
  • 体が熱い状態が続いている
  • 涼しい場所で休ませても、だるさが残っている
  • 一度よくなったあと、再び症状が現れた
  • 乳幼児で状態を判断しにくい
  • 保護者の方から見て「いつもと違う」と感じる

熱中症と思われる場合でも、発熱や嘔吐、頭痛の原因が、感染症など別の病気であることもあります。症状だけで決めつけず、気になる変化がある場合はご相談ください。

夜間・休日でも早めに受診するサイン

次のような状態がある場合は、夜間や休日でも早めに医療機関へ相談・受診してください。

  • 水分をほとんど飲めない
  • 飲ませても繰り返し吐く
  • 強い頭痛を訴える
  • めまいやふらつきが強い
  • まっすぐ歩けない
  • 立っていられない
  • おしっこ(尿)が極端に少ない
  • 半日近くおしっこ(尿)が出ていない
  • ぐったりして、ほとんど動かない
  • 顔色が明らかに悪い
  • 呼びかけへの反応が普段より鈍い
  • 受け答えがいつもと違う
  • 高い体温や体の熱さが続いている
  • 涼しい場所で体を冷やしても改善しない
  • 症状が時間とともに悪化している

受診を迷う場合は、子ども医療電話相談「#8000」へご相談ください。ただし、意識や呼吸に異常がある場合、自力で水分を飲めない場合は、「#8000」を待たずに119番へ連絡してください。

迷わず119番へ連絡する目安

  • 呼びかけても反応しない
  • 意識がもうろうとしている
  • 呼吸をしていない、または呼吸が弱い
  • 唇や顔が青紫色になっている
  • 受け答えがおかしい
  • 自分で水分を飲むことができない
  • けいれんを起こした
  • まっすぐ立てない、歩けない
  • ぐったりして動かない
  • 呼吸が明らかに苦しい

救急車を待っている間も、涼しい場所で衣服をゆるめ、体を冷やし続けてください。意識がはっきりしない場合や、自分で飲めない場合は、水分を無理に飲ませないでください。

予防

熱中症を防ぐために

のどが渇く前に水分をとる

子どもは遊びに夢中になると、のどの渇きに気づかないことがあります。外出前、運動前、活動中、帰宅後など、時間を決めて水分をとらせましょう。

汗を多くかいた場合は、水分だけでなく塩分も補える飲み物を活用します。

こまめに休憩する

暑い日は、短時間の活動でも定期的に日陰や冷房の効いた室内で休ませてください。

本人が「まだ大丈夫」と言っていても、顔色や汗、動き方を大人が確認しましょう。

帽子や通気性のよい服を選ぶ

屋外では帽子を着用し、通気性や吸湿性のよい服を選びましょう。汗をかいた衣服は、必要に応じて着替えてください。

室内でも冷房を使用する

熱中症は、屋外だけでなく室内でも起こります。

気温だけでなく湿度にも注意し、暑さを我慢せず、冷房や扇風機を適切に使用してください。

車内へ子どもを残さない

短時間であっても、車内へ子どもだけを残さないでください。

日差しがそれほど強くない日や、窓を少し開けている場合でも、車内の温度が急激に上がることがあります。

暑さ指数を確認する

外出や運動の前には、気温だけでなく暑さ指数を確認しましょう。

熱中症警戒アラートが発表されている日や、暑さ指数が高い時間帯は、外出や運動の中止・変更を検討してください。

帰宅後や夜も様子を見る

暑い日に外出や運動をしたあとは、帰宅して終わりではありません。

夜になってから、元気がない、食欲がない、頭痛や吐き気がある、水分を飲まないといった変化がないかを確認してください。

受診の準備

受診までに確認しておくとよいこと

医療機関へ相談・受診するときは、次の内容を確認しておくと、 お子さまの状態を伝えやすくなります。

その日の過ごし方

  • いつから症状が始まったか
  • 日中にどのような場所で過ごしていたか
  • 屋外にいた時間
  • 運動や遊びをしていた時間
  • その日の気温や暑さ

水分・症状

  • 水分をどのくらい飲んでいたか
  • 食事をとれていたか
  • 最後におしっこ(尿)が出た時間
  • 嘔吐した回数
  • 頭痛やめまいの有無
  • 意識や反応の変化
  • 最も高かった体温

ご家庭での対応

  • ご家庭で行った冷却方法
  • 冷却や水分補給後に改善したか
  • 使用した薬と使用した時間

暑い環境にいた時間や、症状が始まるまでの経過も診察時にお伝えください。

よくある質問

子どもの熱中症についてよくいただくご質問をまとめました。

冷却シートをおでこへ貼れば大丈夫ですか?

おでこの冷却シートだけでは、体全体を十分に冷やすことはできません。涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、首、脇の下、足の付け根などを冷やしながら、濡れた皮膚へ風を送ってください。

眠っている場合は、そのまま寝かせてもよいですか?

呼吸が安定し、顔色が悪くなく、呼びかけると普段どおり反応する場合は、涼しい部屋で休ませながら様子を確認してください。呼びかけても反応が弱い、起こしにくい、受け答えがおかしい場合は、迷わず119番へ連絡してください。

夜間に受診するか迷ったときは、どうすればよいですか?

意識や呼吸に緊急性の高い変化はないものの、夜間の受診を迷う場合は、子ども医療電話相談「#8000」を利用できます。ただし、呼びかけへの反応がおかしい、自力で水分を飲めない、けいれんがある、呼吸がおかしい場合は、「#8000」を待たずに119番へ連絡してください。

夜になってからの
体調変化にもご注意ください

熱中症は、暑い場所にいるときだけに症状が現れるとは限りません。 日中の暑さや水分不足の影響が残り、帰宅後や夜になってから、 だるさ、頭痛、吐き気、食欲低下などが目立つことがあります。
「昼間は元気だったから大丈夫」と決めつけず、暑い日に外出や運動をしたあとは、 夜まで元気さ、水分、おしっこ(尿)、顔色、反応を確認してください。

無理にご家庭だけで判断せず、
ご相談ください

少しでも「いつもと違う」と感じる場合は、ご家庭だけで判断せずご相談ください。